彼女はとても勉強熱心で生徒さんをコンクールで数々の賞に導いた優秀な先生です。
「もうすぐピアノ発表会なのですけど、小学校低学年で3拍子の曲が弾けない子がいて困ってるんですよね。」
意味としては、クラシックピアノにおいては、3拍子の曲は左手でそのリズムを取って<ズン、チャ、チャ、>と最後の<チャ>を短く切って弾くことが多いのですが、その生徒さんは<ズン、チャ、チャー>と最後の拍が間延びするのだそうです。
そして、よくよく聞いてみるとその他にも
先生の言うことをちっとも聞かないで、『ここはこうするのよ』といって生徒さんの手を触れると先生の手を払いのけて自分勝手に弾いてしまう。ペダルも入れてはいけないところでも勝手に入れて音楽は『ワーン、ワーン』と唸っている状態のようです。
さすがにレスナーの方も『発表会に出さなくては』ということもあり、イライラを隠せず強く叱ってしまい、そしてそれが頭から離れず夜眠れなくなってしまったとのことです。
もちろんここで叱るか叱らないかは賛否両論あるところだと思います。
それはわたしのレッスンでもあります。
ピアノの先生のところだけで強い躾ができるわけでもありません。
そこでわたしの考えです。
こういう生徒さんには好きに弾かせると良いと思います。
また才能があることも少なからずです。
もしかしたら、発表会でもそのような演奏になるかもしれませんが父兄には長い目でみれば変わって行くことを伝えておけばそれで良いと思います。
もしかしたら、発表会でもそのような演奏になるかもしれませんが父兄には長い目でみれば変わって行くことを伝えておけばそれで良いと思います。
<ズン、チャ、チャー>や、音楽の『ワーン、ワーン』と唸っている状態も『粗野』な状態であるといえます。 (注<ズン、チャ、チャー>のような演奏の仕方も存在します。)
音楽表現に正解はありません。
クラシックでは『こうあるべき』という制約は多いのですが音楽が『粗野』から『洗練』に進化した結果にすぎないと思っています。
何事も最初から『洗練』を獲得するのは難しいといえます。
しかし『粗野』は感情移入も楽で比較的簡単に手に入ります。初心者の人たちが音楽を楽しむにはうってつけです。
それなりの音楽的経験をつめば『粗野』から『洗練』に進化する可能性は十分あります。
もっとも『粗野』な音楽もしっかり王道を歩いている多様化の時代ですからまたそれはそれでいいのかもしれません。
要は好みです。
わたしが平成元年から長きにわたりお付き合いさせて頂いた愛媛大学名誉教授の作曲家、横山昭八先生は、音楽の評価は『肉が好きか、魚が好きか』ということと同じで聴く人の好みによって違うと言われていたことを思い出します。残念ながら先生は今年の5月にご逝去されましたが・・・。
ペダル入れっぱなしで音楽の『ワーン、ワーン』と唸っている状態も、「すっごい迫力だね!!」って褒めてしまえば、次のステップは必ずあると思います。
このような生徒さんはこの『ワーン、ワーン』が快感なのかもしれません。
いい音も、汚い音もいろんな音を経験する事はかえって音楽表現の幅を広げるやもしれません。
躾に関しては気になるところですが、人は嫌いな人の言うことは聞きません。
まずは生徒さんと信頼関係を作るのが一番。
『わたしという先生』が生徒さんにとって一番共感してくれる頼もしい存在であるという経験を積み重ねることです。
まずは『共感してしまえ!』です。
そうなってしまえばよそには習いにはいけないので『言うことを聞かなければレッスンにくるな!』とはっきり言えます。
でもよくあることです・・・。 ピアノの先生 「がんばれ!!!!」
はしもと・じゅんこの自己紹介動画です。見てくださいね!!
↓ ↓
https://www.youtube.com/watch?v=oMlvx-l2lnU
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